いずむうびい

テキトーなブログ。

凄い96発『アイアムアヒーロー』

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花沢健吾原作映画.原作は何巻までかなー.とりあえず映画んとこよりもう少し先までは読んでる.キャスト的に無いのは分かってたけどエロ皆無だったのは残念.ドラマも展開が先走ってて「急に何言ってんだこいつ?」ってのが何度かあって荒削り感は否めない.しかし,支持せざるを得ない傑作エンターテインメントでした.

鈴木英雄.夢見る35歳(そろそろ他人事じゃない年齢に差し掛かってきたなぁ).この映画は,彼が自分の凡庸さを受け容れるまでの物語で,上手いのはそれを目の当たりにする観客は彼の凄さに気付かされる構造になっているところだ.

来る日も来る日もアシ業に勤しみながら持ち込み用の漫画を深夜まで描き続ける.そんな生活を彼女(片瀬那奈!)に愛想尽かされるまで続ける.これって,実は凄くない?彼女(片瀬那奈!)に愛想尽かされたりしたら,フツーの男だったら身を固めようとかそろそろ潮時かっつって守りに入ったり見切りをつけるでしょ.でも,鈴木英雄はやめなかった.諦めなかった.これって凄いよね.

猟銃の扱いがまったく錆びていないのも鈴木英雄たるところだ.「残り96発…!」のセリフを吐いてから,怒涛の人体破壊ショーが始まるわけだが,そのほとんどを命中させているのだ.凄い.「ん」とだけ音を発してイヤホン半分こする有村架純のとびきりの可愛さや喉を掻っ切りまくる長澤まさみの素晴らしさも凄いが,鈴木英雄はそれ以上に凄い.

「感染前に当人がもっとも支配されていた反復運動を繰り返す」というのがZQNの特徴だが,これは物語のテーマも担っているのだろう.

繰り返し繰り返し同じことをやり続ける.もちろんそれには良し悪しあるが「何かを乗り越えること」とは,そういった過程を積み上げた者が獲得できる凄味のことをいうのかもしれない.今年の邦画は面白い!最高!