いずむうびい

テキトーなブログ。

コール・マイ・ライフ『WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズ』

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EDMがErectric Dance Musicの略だと知れて賢くなった気がしました.DJって,音を組み合わせることがメインでどちらかというと言葉を持たない音楽ってイメージなんだけど,この映画のDJには言葉があったなぁ.

いわゆるパリピな人を見ててすごいなぁと思うのが,人目を憚らずクネクネ踊れるところ.もちろん,そりゃあ容姿端麗のなせる技でしょうよとも思うけども,それ以上にパリピな人って心身ともに音楽を浴びてるっていうか.そうそう.「聴いてる」じゃなくて音楽「浴びてる」感じがしたね.シャワーシーンみたいなんだ.エミリー・ラタコウスキーが「勇敢な観客」になるシーンは2016年屈指のシーン.胸元すごい.

映画ってのは,つくづく人間が活写されるもんだなと思った.オープニングで音楽作成ソフトをいじる主人公の背中には「迷い」がひりついている.「ザック・エフロン」以外に人となりなど一切わからない青年の背中に一瞬で感じ取ってしまうそれは現実世界ではなかなかお目にかかれないものだ.「映画」というフィルターを通しているからこそ,青年の背中に注目し,そこに流れる物語を見てしまう.

『WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズ』は,一人の青年の人生最高の瞬間を目撃する映画だ.

青年が生きてきた23年間のうちのたかだか100分弱の付き合いである観客に「最高」と思わせる説得力.それだけ悩むに悩みきれない焦燥感とそこからのひとときの解放感の高低差が青年の人生を物語ってくれていた.生きざま映ってる映画はやっぱり面白いっすわ.

ソファーでビール飲むとこ.意味もなく合わせてて好きだなー.絵画のアニメーションも鮮やか.開幕が4人横一線のわりには繋がり描写が淡白だったり不慮の事故も唐突なんだけど彼らの人生なんだからイイじゃないと思った.でも,このラストは「夢を掴んだ」ってことなのかな.友人への鎮魂歌的な意味合いもあっただろうから,ひょっとしてこれが最初で最後なんじゃないかな.どちらかというとそうあってほしい気がする.居候に戻ってまたよろしくやってほしいな.

夏が近付いたら思い出す映画がまた1本.思いがけない傑作でありました.